表情の描き方は意外と難しいですよね。
表情を描き分けるにはキャラの感情をしっかり把握して、適切に顔のパーツを変化させることが大切です。
具体的にどのパーツをどう動かせばいいのか、ポイントや考え方を書いていきたいと思います。
そこで今回は、
・表情の描き方のポイント
・基本の6感情の描き方
・表情を上手に描くコツ
この内容を紹介します。
表情を描き分ける6つのポイント
感情を表現するとき、どのように表情を描けば良いのか。あなたも何となくは分かっていると思います。でも、いざ表情を描き分けようと思うと上手くいかなかったりしますよね。
まずは表情を描くときに意識すべき6つのポイントを把握しましょう。
この6つのポイントさえ押さえれば、キャラクターの感情を読者にしっかり伝えられる表情が描けるようになります!
この6つは感情の変化がよく見てとれるパーツになります。
なぜこの6箇所が表情を描く上でのポイントになるかというと、感情による変化が現れやすい部分だからです。もちろん他の顔のパーツでも変化がある部分はありますが、より顕著で分かりやすいのがこの6つになります。
では具体的にどういう変化が起こるのか?パーツごとに書いていきたいと思います。
①眉の位置や角度
眉は特に感情によって変化しやすいパーツです。
八の字形にすると「悲しみ」「困惑」「不遜」、逆八の字形にすると「怒り」「嫌悪」「自信」等の感情を感じさせます。目から大きく上に離すと「驚き」や「喜び」等も表現できます。
また、眉だけでなく眉間にもシワを寄せると「怒り」「苦しみ」等も感じられます。
②目全体の形
目全体というのは目の輪郭の部分です。
伏し目がちになれば「冷静」「沈静」、大きく見開くと「興奮」「昂ぶり」等を感じさせます。
③瞳の大きさ
瞳とはいわゆる黒目の部分です。
瞳を小さくすることで、「驚き」「激高」等を感じられます。
瞳ではなく瞳孔を小さく表現する場合もあり、自分の絵柄に合う方で描き分けてみましょう。
④瞳の輝き
瞳の輝きはハイライトの量です。
瞳の輝きが多ければ「羨望」「憧れ」、輝きがなければ「絶望」「嫌悪」等の感情表現となります。
⑤頬の紅潮
頬の赤らみは「照れ」「高揚」「興奮」等の感情を表します。
また感情表現とは違いますが、「子どもらしさ」「女の子らしさ」の表現にも使われたりします。
⑥口の形
口の形も感情によって変化しやすいパーツの1つです。
口角が上がれば「喜び」「歓喜」、下がれば「悲しみ」「怒り」、口をあんぐり開くと「驚き」「呆然」、歯を噛みしめると「苦しみ」「恐怖」等、様々な感情が表現できます。
これなら私も色々な表情が描けそうです!
表情の描き方【基本の6感情】
表情を描く練習をするには、まず基本の6感情を描けるようになるのがおすすめです。
基本の6感情とは人類に共通する普遍的な6つの感情のことで、「喜び・怒り・悲しみ・驚き・恐怖・嫌悪」の感情を指します。
なんだか難しい言葉が。。。
諸説あるようですが、感情表現の基本として覚えておきましょう。
日本では「喜怒哀楽」という言葉がメジャーですが、この6つの表情を描き分け出来るようになると、より感情表現の幅を広げることができます。
1つ1つ描き方について説明していきますので参考にしてみてください。
ちなみに、この描き方はあくまで一例です。同じ感情でも表現の仕方やキャラクターによって描き方も様々なので、「この感情の描き方はこう!」と決めつけずに選択肢の1つとして読んでみてください。
「喜び」の表情
眉は弧を描くように上に上がり、高揚感のため頬は少し赤くなります。
瞳をキラキラ輝かせたり、口角が上がるのも特徴です。
いわゆる「笑顔」が喜びの表情となります。
「怒り」の表情
眉は逆八の字型になり眉間にもシワが寄ります。
目は座り睨みつけたり、激高した際は見開き瞳孔も開いたようになります。
口はへの字に結んで前に突き出したり、声を荒げるときは横広に口を広げます。
「悲しみ」の表情
眉は八の字型になり、泣きじゃくると気分が高揚し頬も赤くなります。
目は少し伏し目がちになり、口はきれいな形ではなく少し歪ませると感情がより表現可能です。
「驚き」の表情
眉は大きく上に上がり、目を見開き瞳孔を開くように驚く表現もあります。
口をポカンと小さく開いたり、度合いによってはあんぐりと大きく開くのも効果的です。
「恐怖」の表情
眉は八の字型になり、目を大きく見開いたり逃げるように体を背けたりもします。
歯を食いしばったり、より情けなく表現するなら口の位置を少し下に描くのもありです。
青ざめたように顔に影を入れるのもよく見る表現ですね。
「嫌悪」の表情
眉をひそめたり、眉間にシワを寄せたりします。
怒りの表情と少し似ていますが、困惑だったり侮蔑の感情も織り交ぜて描くと良いです。
確かにマンガとかでもよく見る表情かも。
この通りでなくとも自分の思う表情で全然OKです!
表情を上手に描くコツ
表情の描き方があらかた分かったところで、今度は表情を上手に描くコツについて書いてみたいと思います。
僕個人が実践しているものにはなりますが、イラストを描き始めたばかりの初心者の方には参考になるはずです!どれか1つでも気に入ったコツがあればやってみてください。
感情に段階を付ける
わざわざ言われなくても。。。と思われるかもしれませんが、感情には段階があります。
例えば「怒り」の感情だと、《ムッとする→イライラがつのる→ぶちキレる》といった具合ですね。
これと同じように、表情を描くときも1つの感情ごとに段階を分けて描く練習をするのがおすすめです。
実際に、基本の6感情を説明するときも2段階に分けて表情を描いてみました。
変化の過程を描くことでキャラクターにより人間味を持たせることもできるので、ぜひ段階ごとの表情を描いてみてください。
手や肩など体の一部も感情表現に使う
表情(顔)だけでなく、手や肩など体の一部も感情表現に使うことができます。
例えば、驚いたときは口を手で覆う、気分が高ぶったときは若干怒り肩になる、恐怖を感じたときは身を反らすなどです。
使えるものはなんでも使って表現の幅を広げていきましょう!
漫符を有効に使う
少しマンガ寄りのコツになりますが、漫符を有効に使うのも表情を描き分けるのに効果的です。
「怒りマーク💢」は昔から使われている代表的な漫符で、これを顔や頭に描くだけでそのキャラクターが怒っているということを簡単に伝えることができます。
あまり使いすぎると表情を描き分ける勉強にはならないので、デフォルメ的なタッチをするときにだけ使うなど、使用するタイミングにメリハリを付けると良いかもしれません。
怒りマークや汗マーク、Zzzや雷の背景などが漫符となります。
キャラクターによって表情を描き分ける
キャラクターにも個性があるので、同じ感情を抱いたとしてもキャラクターそれぞれで表情は変わってきます。
例えばワンピースのルフィとゾロが「喜び」の感情を抱いた場合、2人は全く違った表情(反応)をするはずです。
自分のオリジナルのキャラクターを描く場合でも、「このキャラクターならこう笑う」という部分まで考えて表情を描くと、個性のある表情の描き分けに繋がります。
まとめ
表情の描き方について書いてみましたが、いかがだったでしょうか?
長々と書いてみましたが、まずは好きなマンガの1コマを模写してみるだけでも大丈夫!
難しいことは分からなくても、真似して描くだけで自分の引き出しは増やすことが可能です。
模写のメリットについて書いた記事があるので、興味があれば読んでみてください!
「なんとなく描けるようになったけど、表情の描き方をちゃんと理解したい!」という場合は、今回の記事で書いた描き分けのポイントやコツを参考にしてみてください。
きっと何かしら表情を描く上で役に立つ情報があるはずです。僕もそう願って毎回記事を書いています!
読み手に違和感を感じさせない表情が描ければベターです!
ちなみに基本的な顔の描き方の記事もありますので、顔の描き方をイチから知りたいという人は参考にしてみてください!
アキト先生~!
キャラクターの表情ってどう描き分ければ良いんですか?全部同じような顔になっちゃってうまく表現できません。。。