なるほど。
イラストを描き始めた時、一番最初にぶつかる壁は顔の描き方ですよね。
そこで今回は、
・初心者がやりがちな顔が崩れてしまう描き方
・顔を描くときに最初にやるべきこと
・色々な角度から見た顔の描き方
この内容を紹介します。
初心者がやりがちな顔が崩れてしまう描き方
まずは下のイラストを見てみてください。
顔の違和感に気付きますか?
頭が潰れてしまっていたり、顔が縦に伸びてしまっています。
これを修正したのが下のイラストです。
僕がイラストを描き始めた時も、どこかバランスの崩れた顔ばかり描いていました。
何故かというと、「顔のバランスを知らなかったし意識もしなかったから」です。
自分の描きたいようにただ描き殴るのは簡単ですし楽しいことですが、
もっと上手く描けるようになりたい!と思ったら、顔のパーツの形状や配置を知ることが大切です。
顔を描くときは最初にアタリをとろう
違和感のない顔を描きたいなら、まず最初にアタリをとるようにしましょう。
下の画像の青い線が「アタリ」というものです。
いざ描き始めてから「あれ、これバランスおかしくない。。。?」という経験はありませんか?
僕はうんざりする程あります。笑
描き直せば良い話ですが、ある程度他の部分も描き進めている場合だと、描き直すことで他の部分の修正も必要になることが多々あります。
結局修正することを諦めてそのまま描き上げたこともあるのですが、やはり完成したイラストを見ると崩れている所が気になってしまいます。。。
こういったことを極力減らすのに便利なのがアタリです。
下描きを描き始める前に、パーツの大まかな位置を決める為に必ず描くようにしましょう。
これは顔だけでなくイラスト全般に有効です。
下描き段階でバランスが崩れていたら、清書やペン入れ後も当然崩れたままになります。
そういったことを防ぐためにもアタリは有効です。
顔のアタリのとり方ですが、基本的には正円を描き、顔の向きを中心に十字を切ります。
顔の角度によってアタリのとり方が変わってくるということです。
実はアタリのとり方は人それぞれ違いがあります。
縦の線を引かない人、横の線を2本入れる人、輪郭によって円の形を変える人など様々です。
人それぞれやりやすい方法がありますし絵柄も違ってきますので、どれが正解ということはありません。
僕自身は正円に十字という方法でいつも描いていますので、このブログのイラストは全てこの方法で描かれています。
アタリの描き方も分かったところで、早速基本的な顔の描き方について紹介していきたいと思います。
正面顔の描き方
まずは基本のき、「正面から見た顔の描き方」です。
バランスのズレが顕著に現れるので、個人的には一番苦手な角度だったりします。。。笑
まずはアタリをとりましょう。
今回は正面を向いていますので、正円の中央を中心に十字を引きます。
アタリの次は輪郭を描きます。
パーツを描く順番は自分の描きやすい順番で良いですが、輪郭は顔の大きさや向きを決めておく為に最初に描くようにしましょう。
顔の下半分は、野球のホームベースを意識するようにしましょう。
アゴの角ばった部分は丸みをつけるとより自然に見えます。
輪郭を描いた後は、目や鼻、口などのパーツを描きこんでいきます。
目の位置は横線を目安に描きましょう。輪郭の形に限らず、目の位置は顔の中心にあります。
目と目の間は、目約1つ分空けるとバランスが良いです。
鼻の位置は縦線を中心に描きます。
目と鼻を線で結んで正三角形ができる位置が良いとされていますが、キャラの年齢や性別によっても変わってきますのであまり意識しなくて大丈夫です。
口の位置も縦線を中心に描きますが、表情やデフォルメによって適した位置は変わります。
自分の描きたいイラストを元に色々工夫してみましょう。
最後に髪を描いてあげます。
よくやりがちなのが頭に沿って髪を描いてしまうことです。
髪のボリュームがなくなってしまい頭がぺったんこに見えてしまうので、頭にかぶせるように描くようにしましょう。
バランスを見て問題がなければこれで完成です!
横顔の描き方
次は意外と難しい「横顔の描き方」です。
正面顔と描き方が全然変わってくるので、描き方を知らないと最初は苦労する箇所だと思います。
まずはこちらもアタリをとりましょう。
横を向いてはいますが、正面顔と同じく正円の中央を中心に十字を引きます。
理由は耳の位置を把握しやすくする為です。
アタリの次は輪郭と耳を描きます。
横顔の輪郭を描くときは「P」の形を意識するとバランスがとりやすくなるのでオススメです。
眉間の下にはホリがあるのでその部分はくぼませましょう。
鼻先・口・アゴは「Eライン」を意識するとバランス良く美形になります。
理想の横顔は、唇がEラインの内側に位置すること(もしくは若干触れる程度)だと言われています。
耳は十字線中央のやや右寄りから描き始めましょう。
正面顔の時よりも耳の見える範囲は広くなっています。
ここまで描けたら、目や口のパーツを描きこんでいきます。
目のホリがあるので、眉の位置よりも瞳は内側(中心寄り)に描きましょう。
また、よくある間違いとして、目を正面顔と同じように描いてしまうということがあります。
顔のパーツは全て見る角度によって形も変わるので、「この角度を描いたらこのパーツはどう見えるのか?」を意識しながら描くことを癖にしましょう。
最後に髪を描いて完成です。
顔は球体なので、中心から外れる程どんどん奥まっていきます。
それに合わせて髪の束も重なっていくので、細かく描きこむ場合はこういった所も意識するようにしましょう。
斜め顔の描き方
イラストの王道、「斜め顔の描き方」です。
まだイラストを描き始めの頃、斜め顔が描けるようになると、なんだかすごく上手になった気がして嬉しかった記憶があります。
これがちゃんと描けるだけでグッと上手く見えるので、しっかり描き方をマスターしましょう!
まずは正面顔・横顔同様アタリをとりましょう。
今回は斜めを向いていますので、顔の向きを中心に十字を引くようにします。
アタリの次は輪郭を描きましょう。
眉間の下のホリを表現する為に、その部分は若干くぼませます。
ほっぺたのふくらみがあるので直線ではなくゆるやかなカーブを描いてアゴまで線を引きましょう。
首は若干前に傾いているので、縦に真っ直ぐ描かない方が自然に見えます。
例えば女性よりも男性、アジア系より欧米系の方がホリがより深くなりますよね。
慣れてきたらそういった細かい部分の描き分けも意識すると、もっと上手に描くことが出来ますよ。
輪郭を描いたら残りのパーツを描いていきましょう。
目の描き方のコツは、奥側の目(画像の場合、向かって左側)の横幅を少し狭く描くことです。
斜めを向くことで手前側より奥側の見える面積が狭くなるので、これに合わせて目の幅を狭くするとバランス良く見えます。
口も正面顔と同じように描くのではなく、唇の角度を意識して描くようにしましょう。
鼻は顔の向いている方に傾けて描きます。
髪を描いて斜め顔も完成です。
こちらも正面顔と同じように描くのではなく、「この髪型が斜めを向いたらどうなるか」をしっかり考えながら描くようにしましょう。
ガチガチに考え込まずに、まずは「それっぽく見える」ことを重点に描いてみるのがオススメです。
アオリ(煽り)で見た顔の描き方
正面顔・横顔・斜め顔が描けるようになったら、次は「アオリ(煽り)で見た顔の描き方」を覚えましょう。
アオリ(煽り)という言葉はあまり聞いたことがないかもしれませんが、言い換えると「下から見た顔の描き方」となります。早速描いてみましょう。
アタリのとり方ですが、斜め顔の時と同様、顔の向きを中心に十字を引くようにします。
横線の角度も変わるようになりましたが、だからと言って極端に難しくなるわけでもないので、あまり気にせず描いてみてください。
これまで通り、アタリの次は輪郭です。
アオリ(煽り)で描くときのコツは、横から見たときよりも顔の縦幅を狭く描くことです。
パースがつくと見える面積も変わるので、それを意識して描き方を変えることが大切になります。
アオリ(煽り)の場合は顔の縦幅が狭くなり、アゴの下部分が見えるように描くとバランスが良く上手に見えます。
目の描き方ですが、アオリ(煽り)+斜め顔の場合は面で意識すると描きやすくなるかもしれません。
通常の斜め顔の描き方にプラスして、画像の場合は右上から左下へのパースも掛かっています。
描き慣れていない内は直接目から描くのではなく、四角い面で配置を意識してから描き始めるのがオススメです。
鼻先は若干上向きになり、鼻の穴も目立つようになるので描き加えています。
口の位置も少し上に配置すると良いでしょう。
横から見たとき、耳の位置は目とほぼ同じ高さですが、アオリ(煽り)で見たときは目より耳の方が下になるので注意してください。
やりすぎるとおかしく見えることもあるので、少しずつトライしてみましょう。
アオリ(煽り)の場合は髪の生え際も上に移動します。
横から見たときと同じ位置で描いてしまうとおでこが極端に狭く見えてしまうので気を付けましょう!
また、アオリ(煽り)+斜め顔の場合は左右で髪の生え際も変わるので、長さも揃えないように描くのがコツです。
フカン(俯瞰)で見た顔の描き方
アオリ(煽り)と一緒に覚えておきたいのが「フカン(俯瞰)で見た顔の描き方」です。
アオリ(煽り)と逆でフカン(俯瞰)は「上から見た顔の描き方」となります。
必要になる場面も多いので、併せて描き方をマスターしましょう!
アタリのとり方はアオリ(煽り)と同様、顔の向きを中心に十字を引くようにします。
アタリを描いたら輪郭を描きましょう。
フカン(俯瞰)で描くときのコツは、横から見たときよりも顔の縦幅を狭く描くことです。
アオリ(煽り)との違いは、顔の上半分が見える範囲が広くなり、頭頂部も見えるようになること。
また、首も頭で隠れるので短めに描きましょう。同じ長さで描いてしまうと長過ぎになってしまうので注意です。
アオリ(煽り)と同じく、フカン(俯瞰)+斜め顔の場合、目は面で意識すると描きやすくなるかもしれません。
鼻先は若干下向きになり、口の位置も少し下に配置すると良いでしょう。
横から見たとき、耳の位置は目とほぼ同じ高さですが、フカン(俯瞰)で見たときは目より耳の方が上になります。
フカン(俯瞰)の場合は髪の生え際も下に移動します。
また、前髪が長かったりボリュームがある場合は、目にかぶさるように描くとより立体感が出ます。
頭頂部が見えるようになるので、アホ毛の生え際(?)も見えるようになっていますね。
まとめ
顔の描き方について書いてみましたが、いかがだったでしょうか?
今回は初心者向けということで、基本的な顔の描き方をなるべく分かりやすく書いたつもりです。
そっくりそのまま参考にせず、アタリのとり方等は自分のやりやすい描き方を見付けていくのも良いかもしれません。
また、パーツのバランスも大事ですが、色々な角度から見た顔を描けるようになっておくのも大切なことです。
初めのうちはいつも同じ角度だけで満足かもしれませんが、描きたいシーンや構図が増えてくると、色々な角度から見た顔を描きたくなる時が多々あります!(マンガだと特に)
そんな時に少しでもこの記事が助けになればと良いなぁと思う今日この頃です。
イラストを楽しみつつ画力アップを目指しましょう!
いっぱいお絵描きしよ。
無理せず自分のペースで描けるようになりましょう。
アキト先生~!
イラスト描いてるんですけど、キャラクターの顔が上手く描けないんです!
いつもマンガやアニメで見ているのになんで描けないんだろう。。。
上手に見える顔の描き方を教えてください!