クリスタのPRO版とEX版の違いって?
「ペイントソフトといえばこれ!」と言われるほど、イラスト・マンガ制作で人気のクリスタ(CLIP STUDIO PAINT)。
僕もイラストを本格的に描くにあたって使ってみたのですが、これぞペイントソフトってくらい機能も豊富ですごく使いやすいです。(使いこなせるとは言ってない)
ただこのクリスタ、PRO版とEX版の2つが用意されているんですよね。
正直この表記だと何が違うのか迷ってしまうと思います。なんで無印とかで分けなかったのか。笑
自分自身も購入時に迷ってしまったので、具体的にどんな違いがあるのか書いていきたいと思います。
PRO版とEX版の違いってなんなんですか??
簡単に説明すると、PRO版はイラストを描きたい人向け・EX版はマンガも描きたい人向けというのが大きな違いになります!
EX版でもイラストは描けるということですか?
PRO版の機能はEX版でも全部使えるんです。
クリスタEX版はPRO版の機能が全部使える!
つまり、クリスタPRO版の機能はEX版でも全て使うことが出来るということですね。
図で表すとこうなります。
- PRO版 = イラスト向け機能
- EX版 = イラスト向け機能 + マンガ向け機能
じゃあマンガも描くかもっていう人はEX版を買っておけば良いんですね!
「全ての機能が使える!」と聞くと、とりあえずEX版を買いたくなるのがクリエイターの性ですよね。
ちょっとここでそれぞれの価格を比べてみましょう。
- PRO版 = 5,000円(税込)
- EX版 = 23,000円(税込)
PRO版は5,000円(税込)、EX版は23,000円(税込)と、バージョンの違いで18,000円の価格差があります。
ちなみにこの価格はダウンロード版の話で、パッケージ版になるとPRO版は9,200円(税込)、EX版は37,200円(税込)と更に高くなります。。。!
機能自体に差異はなく、販売形態によって値段が変わっているようです。強いて言うならパッケージ版はディスクにデータが入っている為、インストール時にネット環境が不要ということでしょうか。(アップデートなど他の場面では必要になると思いますが)
EX版を買っておけば良いとか言ってごめんなさい。。。
社会人でも少し尻込みしてしまいます。
マンガを描く予定が全くないという人はPRO版を、少し高くてもクリスタでバリバリマンガを描くぜという人はEX版を選びましょう。
クリスタPRO版→EX版へのアップグレードも可能
ここで1つの検討材料となるのが、クリスタPRO版からEX版へのアップグレードが可能という点です。
PRO版(5,000円)とEX版(23,000円)との差額(18,000円)を払えば、いつでもEX版に変更することが出来ます。
「マンガも描くかもなー。でも今はお金がないなー。」
そんなちょっとフワフワしてる時は、一旦PRO版を買ってみて、いざマンガ向けの機能が必要になったらEX版にアップグレードするという方法も可能です!
クリスタEX版だけしか使えない機能ってなに?
「マンガを描くならクリスタEX版」とお伝えしてきたように、クリスタEX版にはマンガ制作時に役立つ機能がたくさん搭載されています。主なEX版特有の機能はこちらです。
- 複数ページ管理機能
- ノンブル・ページ番号設定
- ページの見開き設定
- ページ管理ウィンドウ
- ストーリーエディター(セリフ一括管理)
- 2DLT・3DLT変換機能
- プラグイン機能
- 同人誌入稿支援機能
- 電子書籍フォーマットへの書き出し
それぞれどんな機能でどんなメリットがあるのか簡単に紹介しますね。
複数ページ管理機能
おそらくこれがEX版最大のウリであり、マンガ制作を効率化する機能の代表格になります。
ストーリーマンガを制作する際、通常は1ページではなく複数ページに渡って作品を描くことになるはずです。例えば32ページのマンガを制作する場合、32個のファイルをそれぞれ個別に管理するとなると大変ですよね?
複数ページ管理機能を使えば32ページのマンガを1つの作品として一括管理することが可能になります。マンガ故に発生する煩わしさを解消し、作業を効率化してくれるのがこの機能の特徴です。
例えば、原稿サイズやカラー設定、後述するノンブルや書き出しなどを全て一括でやってくれます!便利!特に頻繁に利用しそうな一括管理機能もあるので、いくつか抜粋して以下で紹介します。
ノンブル・ページ番号設定
ノンブルやページ番号の設定も一括管理が可能です。
同人誌を印刷する際、ノンブルがないと入稿を断られてしまう印刷所もあるので、マンガを描くなら基本的には入れるようにしましょう。フォントやサイズ、色(黒か白)も細かく設定出来るので、マンガの世界観に合うように調整も可能です。
もしどうしてもノンブルを入れたくない場合は「隠しノンブル」を設定することも出来ます。
隠しノンブルにすると、製本時にノンブルが隠れて見えなくなるので、気になる人はこの設定をオンにしておきましょう。
同人誌の制作をするなら覚えておいて損はないです!
ページの見開き設定
ページ同士を組み合わせて簡単に見開きページを作成出来ます。
組み合わせたページは1ページとして扱える(1枚の大きな原稿のようになる)ので、「見開きだけど別々に描かなきゃいけない」という面倒なことにもなりません。
見開き設定にしたページを単一ページに戻すことも簡単に出来ます。
2ページで絵を繋げて迫力のあるシーンを表現するときに見開きを使用します。
ページ管理ウィンドウ
作品単位でページのサムネイルが一覧表示される機能です。
全てのページを一元してチェック出来るので、全体の流れや抜け漏れも簡単に見付けることが可能になります。更に拡大・縮小スライダーやズームアウト・ズームイン機能も搭載。
また、この状態でページの追加や入れ替えも出来る上、上述したページの見開きを設定することも出来ます。
ストーリーエディター(セリフ一括管理)
これはちょっとビックリしたんですが、セリフも一括管理が出来るんです。
便利そうなのは分かるんですけど、どうやって使うんですか?
ストーリーエディター(セリフ一括管理)は、ナレーションや吹き出しのテキストを一括して作成・編集が出来るようになる機能です。
通常、枠や吹き出しごとにそれぞれテキストを打ち込んでいきますが、ストーリーエディターの場合1つのウィンドウ上にテキストを全て打ち込んで、まとめて管理することが可能になります。
この機能のメリットがこちらです。
- いちいちページファイルを開かずにセリフだけ修正が出来る
- テキストの検索と置換が出来る
例えば、原稿完成間近になって「やっぱりキャラクターの名前をAからBに変えたい!」と思ったら、全ページ分テキストをチェックしてAを見付けて、更にBに修正しなくちゃいけません。
でもストーリーエディターなら、自動的にAをBに一括して書き換えることが出来るんです。すごい。
場合によっては必要のない機能かもしれませんが、保険の意味でも使っておくと安心です。
2DLT・3DLT変換機能
これは写真などの画像や3Dデータを線画・トーンに変換出来る機能です。
画像の場合は2DLT、3Dデータの場合は3DLTを使用します。
背景描くのが苦手な人からしたらかなりありがたい。
「背景描きたくない!」「てか背景描けない!」という人は是非1度使って頂きたい機能です。
違和感のないように見せるには少し調整も必要ですが、ゼロベースで描くよりは圧倒的に作業量を短縮出来ますし、表現の幅も広くなります。
素材は自分で撮影したり、CLIP STUDIO ASSETSで配信・販売されているのでそこからも調達可能です。
プラグイン機能
プラグインとは、クリスタに新たに機能を追加するプログラムのことです。
ただでさえ高機能なクリスタに更に機能を追加しようというわけですね!欲張りさん!
プラグインにも色々な種類があり、指定した色を別の色に置き換えたり、色ムラを発生させて不思議な雰囲気に出来るフィルター、アナログ風のカケアミを自動で作ってくれるものなど様々。
気になったプラグインを試して作品に一工夫してみるのもおもしろいですね。
同人誌入稿支援機能
これは読んで字のごとく、同人誌の制作に特化した機能です。
具体的な支援機能がこちら!
- 印刷所のフォーマットに合わせた入稿データを作成
- 3Dプレビューで製本状態を確認
作品作成時に入稿予定の印刷所を選択することで、その印刷所のフォーマットに合わせたデータを自動で作成してくれます。
これによって「原稿完成したけどフォーマット間違えて印刷出来なかった。。。」という地獄のような事態を防ぐことが出来るわけです。なんて心強いんだ。
更に作成した原稿の製本状態を3Dプレビューで確認することも出来ます。ページをめくったり見開きの見え方も疑似的にチェック出来ちゃうんですね。え、神。
なんだか未来を感じてしまいます。
電子書籍フォーマットへの書き出し
作品をEPUB(イーパブ)・kindle形式で書き出すことが出来る機能です。
EPUBとは電子書籍の一般的なファイル形式で、kindleはご存じの通りアマゾンの電子書籍販売サービスですね。
クリスタEX版を使用すれば、自分の作品を電子書籍として出版するハードルを一気に下げてくれます!作品の販売を考えている人にとってはかなり魅力的な機能じゃないでしょうか。
ちなみに専用のプラグインを入れれば、PDF形式での書き出し・読み込みも可能になります。
いつか僕も作品を出版してみたいな。
結局どっちを選べば良いの?
色々書いてきましたが、結局クリスタPRO版とEX版どちらを選べば良いの?
僕なりにそれぞれのバージョンに向いている人を分けてみました。
・マンガも描きたいけどまだ迷っている人
・高機能のペイントソフトを少しでも安く買いたい人
・同人誌や電子書籍の出版を考えている人
・全ての機能を余すことなく使ってみたい人
冒頭で、それぞれの違いを分かりやすくする為に「PRO版はイラストを描きたい人向け・EX版はマンガも描きたい人向け」と書きました。
でも「イラスト集を作りたい!」といった場合は、色々な支援機能や電子書籍フォーマットへの書き出し機能もあることからEX版も選択肢になるかもですね。
まとめ
クリスタPRO版とEX版の違いについて書いてみましたが、いかがだったでしょうか?
上にも書きましたが、つまるところイラストだけならPRO版だけで十分、マンガや同人誌・電子書籍化もしたいならEX版という捉え方で良いと思います。
今回僕自身の勉強も兼ねて色々調べてみましたが、クリスタは本当に機能が豊富ですね!まだまだ使ったの事のない機能もたくさんあります。
もちろん無理して全部の機能を使う必要はないのですが、知っておけば作業を効率化出来たり、表現の幅を広げられたりと、創作作業に便利なことばかりです!
そんなイラスト・マンガ制作に役立つクリスタですが、せっかく買うのなら自分の用途にぴったりな方を選んでくださいね!
今後もクリスタの基本的な使い方や気付いたことについて記事を書いていきますので、少しでもこのブログがイラスト・マンガ制作の参考になれば幸いです。
どーも!管理人のまーぼーです。
今回は僕も使っているペイントソフト クリスタ(CLIP STUDIO PAINT)のPRO版とEX版の違いについて書いていきたいと思います。